知恵-1グランプリ

「アステープ」を使った新しいオーバーレイ工法の提案
株式会社石川建設

駐車場や国道、高速道路、駅や空港など、規模の大小にかかわらずさまざまなアスファルト舗装工事を手がけてきた。直営施工にこだわり続けることで、新工法・新機材に対応する技術力を磨き上げ、近年では一般土木工事などへの多角化も進めている。

高度な技術と品質を追求する経営姿勢は、現場改善の意識向上につながった。道路などのアスファルト舗装は数年経つと劣化するため、その表面を補修する工事(オーバーレイ)を行わなければならない。しかし、従来のオーバーレイ工法は現場でアスファルト原液接着剤を加熱して溶かす必要があるため、作業工程が複雑になるうえ、作業中の火災事故や火傷などの危険が伴った。そこで同社は、アスファルト原液接着剤の代わりに、特殊な粘着テープ「アステープ」を開発。一般の両面テープと同じように、貼って剥がすという簡易な作業により、安全で環境に優しく、施工コストの低減を実現した。「火気対策」ではなく、従来のアスファルト舗装の常識を覆す「火気を扱わない」という斬新な発想が、今回のコンテストにおいて高く評価されたといえる。

今、公共工事の減少などにより、市場を取り巻く環境は必ずしも良好ではない。しかし、新しいオーバーレイ工法のメリットが理解されれば、火気の使用が難しかった工場敷地内の補修など、さまざまな新規用途の開拓に結びついていくだろう。すでにいくつかの建設会社や資材会社から問い合わせが舞い込むなど、社会的な関心も高まっている。人にも環境にも優しい新技術で、斯界での地歩固めを狙う。


今回開発した「アステープ」。「火気が不要」「工期とコストの縮減」という画期的な特長をもつ。


直営施工へのこだわりが、施工技術や現場改善の意識向上につながっている。


■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司

アスファルト補修というニッチなマーケットだが、他社にない独自の発想・技術として評価できる。施主に対してこの施工方法の優位性をどう理解してもらうのか、また、施工実績をどう積み上げていくのか、今後解決すべき課題といえよう。解決すべき課題を具体的に整理し、優先順位をつけて着実に実行していくことが求められる。

<企業情報>
株式会社石川建設
代表者 : 石川 英明
住所 : 京都市伏見区深草小久保町303
TEL : 075-641-2384
Web : http://www.ishikawakensetsu.jp/
<事業内容>
舗装工事業、土木工事業

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