知恵-1グランプリ

深黒染めの技術を活かしジーンズブランド展開
〜伝統技術と現代素材の組み合わせの妙〜

株式会社京都紋付

京都の伝統産業である「京黒紋付染」一筋に老舗ののれんを重ねてきた。色の明度には10(完全な白)から0(完全な黒)までの基準があるが、同社は限りなく0に近い世界最高レベルの"深黒0"に染め上げる技術を確立。「御黒染司」ブランドのアパレル製品を企画・販売して話題を集めた。

今回、これまで培ってきた京黒染め技術と和装の意匠力、アパレル市場での実績を活かして、オリジナルのジーンズ商品を展開するというビジネスプランを提案した。新ブランド「BLーWHY(ビーエル・ホワイ)」を立ち上げ、本物の黒、究極の黒を追求した「KUROZOME」、ジーンズ独特の藍の上に黒を重ねて二度染めした「襲(かさね)」、着物に用いる家紋をアレンジして描いた「紋」などのアイテムを開発している。有名デザイナーとのコラボで生まれた限定商品も人気だ。黒染めジーンズは色落ちしにくいというメリットがあり、品質的にみても、これまでのジーンズと差別化が図ることができる。伝統技術と現代素材の組み合わせの妙が、世の中にない商品開発につながっている。

今、ありきたりのファッションには飽き足らず、自分だけのお気に入りのお洒落を楽しもうという人が増えている。京都らしさにあふれる黒染めジーンズが、こだわりを持った顧客の心を確実につかんでいくに違いない。


新・京都ブランド「BL-WHY」


さまざまなパーツに京都の伝統的な技を活用


■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司

黒染めの技術を洋装材に転換した技術力は、市場での強い競争力となっています。素材の加工だけにとどまらず、自社で企画・デザインしたデニム商品の開発に取り組んでいるのが特徴でしょう。デザイナーや著名人とコラボレーションすることで、京都発の新たなブランドとして事業化をめざしています。ターゲットを絞った商品展開をすることで、新たな顧客を呼び込むことが期待できます。

<企業情報>
株式会社京都紋付
代表者 : 荒川 徹
住所 : 京都市中京区壬生松原町51-1
TEL : 075-315-2961
Web : http://www.kmontsuki.co.jp/
<事業内容>
染色加工、和装縫製加工、KUROZOMEデニムの販売

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