知恵-1グランプリ

「京の新野菜」の発信で豊かな食生活への提案
有限会社篠ファーム

創業以来、ふるさと野菜おすそ分け事業をはじめとする独自でユニークな取り組みに数多くチャレンジしてきた。国内で初めて商業生産を行った激辛唐辛子「ハバネロ」は、それを使った醤油や味噌が大きな話題を呼び激辛ブームの先駆けとなった。社長の量販店や商社での勤務経験も含め、長年にわたり培ってきたネットワークと経験に裏打ちされたスキルが強みだ。

同社ではこの強みを活かして、国内に出回っていない野菜の種苗を世界中から導入、契約農家による栽培を手掛けてきた。今回のプランでは、こうした珍しい野菜を顧客ターゲットに応じて、色や形、ネーミング、味覚、香り、重厚感などにこだわった"五感"に訴えるマーチャンダイジング(商品企画、生産、販売など)により高付加価値をプラスした「京の新野菜」としてブランド化を図る。 現在170軒以上ある契約農家をさらに増やし、気候・土壌の違いを活かして、完熟しても赤くならない緑系トマト「グリーンゼブラ」、赤紫の果皮に白の流線模様が美しい茄子「スティックテイスト」、またピンク色のにんにく、白い人参など今まで見たことのないようなオンリーワンの野菜の商品開発を拡大していく。 近年、フレンチやイタリアンのシェフには「おしゃれなパスタや煮込み料理などに合った野菜を使いたい!」というニーズがあるが、市場では入手困難なものも多い。食に対する"こだわり"ニーズに応える商品を提供していくことで、レストラン・ホテルなどのユーザーだけでなく一般消費者の潜在的な需要も掘り起こせるだろう。

現在、市場に流通している京都の伝統野菜も、かつては全国各地から集積され、京都の気候風土に合うように改良されたものだ。 「京の新野菜」が、京都の多くの農家の手によって大切に育てられ、新ブランドとしての価値を高めていくことで、私たちの食文化はさらに豊かに広がっていくだろう。


見た目も鮮やか。
緑系トマト「グリーンゼブラ」


「京の新野菜」の流通にとり、契約農家の育成にもつなげる


■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司

国内に出回っていない野菜の種苗を導入し、国内マーケットに供給、新たな市場を形成するというこれまでの取り組みは、他に類をみないユニークなものと言える。同社は、新しい品種を提供するだけでなく、その特性を最大限に生かせる「マーチャンダイジング力」を持っており、商品の付加価値化に強い競争力を持っている。 また、限界集落における特産品化事業にも取り組んでおり、多面的な農業経営のモデルとして期待できる。

<企業情報>
有限会社篠ファーム
代表者 : 高田 成
住所 : 京都府船井郡京丹波町院内市庭10-2
TEL :  0771-89-1800
Web : http://www.shinofarm.jp/
<事業内容>
農園芸商品の企画・販売・製造

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