知恵-1グランプリ

色の移り変わりを楽しめる草木染め製品の開発と新規顧客層の開拓
天然色工房 手染メ屋

藍をはじめ、紅花(べにばな)、茜(あかね)、ログウッドなど日本古来の天然素材を使った「草木染め」に特化した染色工房で、自社アパレルブランド「tezomeya」の展開や、古くなった衣類を新しく染め直すサービスなどを提供している。

今、ファッション市場において、自分の感性や個性に合った良質のものを長く使いたいと考える「スローファッション」志向の人が増えているが、使う人によって異なるオリジナルの経年変化を楽しめるカジュアルウエアはジーンズや革製品以外の市場には見られなかった。今回のプランでは、堅牢度の高い化学染料ではなく、同社が培ってきた草木染めの技術を活かし、色の移り変わり(経年変化)を楽しむことができるTシャツやスヌード、パーカーなど、14色の普段使いのアイテムを提案する。

色落ちの激しい草木染めでも、色変化に対する耐久度を高める技法を用いることで、色の移り変わりを徐々に楽しむことができ、消費者の嗜好に応じた"服を育てる"感覚を味わえるのが魅力。色変わりによって好みの色味でなくなったら無料で染め重ねや染め替えを行うサービスや、破れやほつれ等を修繕するリペアサービスにも対応するなど、長く使ってもらうためのアフターフォロー体制も万全だ。

従来のメインターゲットだった女性だけでなく、古着やヴィンテージものに関心がある男性の共感を呼び起こすとともに、海外でのスローファッション市場に精通しているセレクトショップ等に働きかけることで欧米市場への波状効果を狙う。草木染めのスローファッションという、これまでにない価値を生み出すことで、市場に埋もれた潜在需要を掘り起こし、新しい顧客層の開拓につなげていくことが期待される。

■委員長の目(龍谷大学 名誉教授 佐藤研司)

天然染料の草木染めの色あせするという弱点を逆手に取り、色変わりを楽しみながら長く使い続けるスローファッションを提案している。独自の工夫により、長期間の使用に耐えられる加工技術を開発、アフターサービスも充実しながら独自のファッションの開拓に挑んでいる。

<会社概要>
天然色工房 手染メ屋
代表者 : 青木 正明
住所 : 京都市中京区麩屋町通夷川上る笹屋町456-2F
TEL : 075-211-1498
Web : http://www.tezomeya.com/
<事業概要>
染色加工業及び衣類の製造小売業

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