知恵-1グランプリ

「マクラメ」技法で生み出すユニット型光ファイバー照明
株式会社フィルノット

古代から全世界に伝わる結び方「マクラメ」の技法を使って、糸や皮、布、光ファイバーまで紐状のあらゆるものを結ぶ独自技術を有している。特に、光ファイバーについては、結ぶことで直進性の高い光ファイバーの光を側面部分で発光させるとともに、「刺繍」の技法も駆使して光の色合いや強弱を豊かに表現するデザイン性が強みとなっている。 テーマパークのナイトパレード衣裳や商業施設のオブジェなどにも数多くの採用実績がある。

光ファイバー照明の市場は広がってきているが、施工の際、すべての光ファイバーを1ヶ所の大型光源機に集約する必要があるため配線が複雑で、価格も高く、メンテナンスにも手間がかかるという問題がある。 今回のプランでは、光ファイバーの照明器具を「電源」「光源」「光ファイバー」の3つのユニット(部品)に分割。新たに開発した小型の一灯光源機を分散配置することで、光ファイバーの配線を簡素化できるようにした。 各ユニット部分の規格や仕様を統一し、専門的な資格や知識がなくても色や形を組み合わせて自由にオリジナル照明が作れるのが魅力といえるだろう。低コストかつ柔軟性のあるユニットの提供により、これまで光ファイバー照明の導入を躊躇していたディスプレイ事業者や内装事業者、ホテルやショップなどへの販路拡大を狙う。 大手照明メーカーなどとのタイアップを含め、今後の市場展開に夢が膨らんでいる。

伝統的な結び・編み技法と最先端技術の融合によって生まれたビジネスプラン。目の前にある資産を活かすことで、新たな付加価値に結びついた事例をいえるだろう。


古来から伝わるマクラメの技法が、幻想的な光のアートを生む。


ユニット化により、低コストでデザインの幅も広がる。


■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司

マクラメや刺繍と言った技法を用いて編み上げた光ファイバーを側面発光させる技術を開発し、さらに、装置をユニット化することで設置領域を拡大することに成功している。 造形としてのユニークさだけでなく、その設置領域が広がることで、これまでにない新たな市場の開拓が可能となるが、デザインだけでない新たな市場に対しての提案力の強化が今後の課題となろう。

<企業情報>
株式会社フィルノット
代表者 : 本田 壽子
住所 : 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字谷田77-60
TEL : 075-962-0774
Web : http://www.philknot.com/
<事業内容>
光ファイバーを使用したコスチューム・オブジェの製造販売

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