経営者のための人財育成通信 vol.15
2025年05月01日 コラム

採用戦略
採用戦略とは?
中小企業白書2024によると、中小企業にとって優先度が最も高い経営課題に「人材の確保」が挙げられます。労働人口の減少で現場の人手不足が深刻化する中、採用戦略が重要とは分かっていても、そもそもどう戦略を組み立てるべきか戸惑っておられる経営者も少なくありません。
では、なぜ採用戦略が重要なのでしょうか?それは採用戦略に基づいて自社に必要な人財を効果的に確保できれば、業務の円滑な推進と企業の成長につながるからです。
採用戦略には事業計画に紐づいた人員計画と求める人物像の明確化、自社のブランディングが必要です。中小企業の多くは大企業と比べ相対的に知名度が低いため、他社との差別化を図りながら、求職者に自社の強みや魅力を効果的に発信する必要があり、ブランディングは欠かせません。

自社の強みと重点アピールポイントを発信
自社ブランディングの第一歩としては、自社の強みと魅力を洗い出して、それを具体的な数字で発信することが有効です。例えば、「創業100年以上の信頼と確かな技術力」「国内シェア2位の主力製品」等の具体的な実績はもちろん、他社との違いを明確にし、採用したい人物像をイメージしてアピールポイントを打ち出すことが重要です。自社ホームページによる発信強化と併せて、SNS(X・Instagram・YouTube等)を活用して、社内の様子や自社が取り組むSDGsに関する活動等を発信することで、企業風土や社風を特に若年層の求職者に効果的に伝えられることもできます。
また、求人媒体や人材紹介サービスの利用がコスト的に難しい場合には、自社をよく理解している社員や関係者から人財を紹介してもらうリファラル採用を検討することも有効です。
自社の強みと魅力を再発見して効果的に情報発信することで自社に必要な人財の確保につなげ、その人財の能力を最大限に引き出す。中小企業が持続的に成長するためには必要不可欠な戦略です。
※本コラムは京都商工会議所会報誌 BUSINESS REVIEW 2025年 3-4月号に掲載分の再掲です。