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第1回京都・知恵ビジネス・ワークショップ開催報告

知恵を活かしたものづくりが京都を変える!そして日本を変える!

本所では、昨年十一周に「知車産業のまち京都の・推進」を基本方針とした「ニュー京商ビジョン」を策定し、京都の事業者が、昔からの人々の「生き方の知車」や産学公連携などの「知恵のインフラ」といった京都の特性と、各々の強みを活かし、付加価値の商い商品・サービスを開発し、新たな顧客の創造に取り組む知恵ビジネスの育成を積極的に進めています。

九月九日には、京都文化博物館において「京都知恵ビジネス・ワークショップ」を開催。多彩な分野で付加価値の高いものづくりに取り組む奥山清行氏の激励講演会のほか、ポスターセッションにおいて中小企業・地域団体などの先進的な取り組みを紹介し、具体的な知恵の使いどころや強み、成果について幅広く意見交換を行いました。

京都の特性と企業の強みをベースとした知恵産業

京都のまちは、その長い歴史の中で、良いものを大切にして、他の追随を許さない水準を高めていくこと、あるいは誰も手がけていない付加価値のあるものづくりを繰り返すことで発展してきました。京都が世界の中で精彩を放っているのは、守るべきは守りつつ、新たなライフスタイルやビジネスモデルを創造し、提案する力を持っているからではないでしょうか。
一方で、私たちが暮らす社会に目を向けると、顧客ニーズの多様化や市場の熟成化など、工業社会から熟成社会への移行が顕在化しつつあります。そのような中において、二十一世紀の京都産業モデルは、昔からの人々の「生き方の知恵」「暮らし方の知恵」「まちのあり方の知恵」を活かしながら、「科学と技術」「匠の技」「デザイン」などの知恵を加えて付加価値を創造する「知恵産業」を確立することにほかならないと考えています。京都の特色と企業独自の強みを活かしながら、オリジナルの技術や商品、ビジネスモデルを開発し、知恵の経営を推進することによって、中小企業が元気になり、地域社会の活性化につながっていく信じています。

現場と顧客の「双方向の見える化」で顧客創造

知恵ビジネスの成功のポイントは、モノを作る人、デザインをする人、サービスをする人が「自らの強み(コア・コンピタンス)」を知り、そして「顧客が求めている価値」を知ることだと思います。今まさに顧客が望んでいることを実現する、さらに踏み込んで言えば、「顧客が潜在的に望んでいる価値を顕在化する」ために、顧客の思いを直接聞き出して、顧客と一緒になって作り込み、実現してみせる「顧客創造」が求められているのではないでしょうか。
すなわち、モノを作る人、デザインをする人、サービスをする人が、それぞれの現場から顧客が見えていて、また顧客からも現場が見えている...。そのような「双方向の見える化」に取り組むことによって、現場に新たな創意工夫と独創性が生まれ、「顧客創造」の第一歩を踏み出せると考えています。

「京都・知恵ビジネス」の具現化に向けて

この度、知恵ビジネスについてのイメージを膨らませ、より具体的に思い描いていただくために、「京都・知恵ビジネス・ワークショップ」を開催しました。特に、第二部のポスターセッションでは、先進的な事業に取り組んでいる中小事業者などの事例に触れながら、「知恵の使いどころ」やその知恵のもととなった「強み」を聞き、どのように付加価値を見出し、顧客創造を行ってきたのか議論を深めました。
例えば、京都の感性で新たな息吹を与えられたフラワーアレンジメントや、酒蔵や町並み等の地域ブランドを掘り起こす産・官・民一体のまちおこし事業、京和傘という伝統技術を発展させた現代日用品、金属技術とセラミック技術を融合し世界市場で50%のシェアを得たセラミックプリンターローラーなど、それぞれの事業者ならではの創意工夫や独創力を知ることができました。
私たちは、中小企業が幸せで元気になる第一歩が「京都ならではの地域の特性や強みを活かし、変わりゆく社会の中で生まれる新たな価値観を的確にとらえること」にあると考えています。皆さまにご参加いただき、幸せと元気にあふれた京のまちづくりを一緒に進めていきましょう。

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