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[コラム:知恵産業のまち京都(観光編)] 新たな観光資源の創造

新たな観光資源の創造
 

ますます多様化するニーズに応えるため、これまでのマスツーリズムではなく、"量"から"質"への転換が求められています。京都には歴史ある社寺や美しい自然、伝統文化など、優れた観光資源が数多くたくさんありますが、ありふれたモノ、コト、素材の中にも、ほんの少し見方を変えることで、観光客の心をとらえる魅力的な資源があることに気づくでしょう。

市民の足として親しまれている嵐電(京福電気鉄道㈱)(中京区)は、四条大宮~嵐山、帷子ノ辻~北野白梅町11㎞を結ぶ路線で、春には線路沿いの桜を楽しむ夜桜電車、夏にはおどろおどろしい雰囲気に演出された車内に妖怪が乗り込む妖怪電車など、趣向をこらした電車で乗客を楽しませています。また、「あなただけの特別仕様、プレミアムトレイン」と銘打った貸切電車を運行。結婚式の二次会や同窓会、ミニコンサートなど様々に楽しむ人も多いといいます。電車を一つの交通手段とするだけでなく、空間や移動時間を楽しむ工夫を加えるとこで、通勤客や通学客とは異なる観光客を呼び寄せています。

普段、身近な食材も、観光という視点で見ると、新しい顧客の創造につながります。京豆腐や京湯葉を製造・販売する㈲とようけ屋(上京区)は、異業種の企業とコラボレーションし、豆腐素材を使った石けんや饅頭を開発。“贈答品”として、今まで地元の主婦が中心だった顧客を全国の観光客に広げています。

2名からグループまで幅広い宿泊に対応でき、修学旅行生を積極的に受け入れているホテルカンラ(下京区)。京都の魅力を支える食文化や伝統工芸に着目し、京野菜で浅漬けを作ったり、間伐材でマイ箸づくりを行うなど、修学旅行の本質である“学び”を満たしています。宿泊サービスに様々な教育プログラムを加えることで、ホテルでの滞在時間そのものを観光資源化させています。

京都商工会議所では、府・市・仏教会などと連携し、観光シーズン閑散期の集客を目指す「東山・嵐山花灯路」事業を平成15年から実施。京都には少ない夜間の新たな観光資源として宿泊客数が増えることで、周辺地域に経済波及効果も生まれています。さらに、中国をはじめとする東アジアからの外国人観光客に対応するため、「外国人観光客おもてなし向上交流会」を本年度より開催しています。新たな観光資源の創造は、観光客の誘致だけでなく、そこで暮らす人たちの関心を京都に向け、地域の再発見や活性化につながります。皆さんも、まだ知らない京都の魅力を発見するツアーに出かけてみてはいかがでしょうか。

<紹介事例>
・嵐電(京福電気鉄道㈱)
・㈲とようけ屋
・ホテルカンラ京都

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