知恵産業研究会報告書

第4章 知恵産業推進支援に関する施策提言に向けて

2.提言施策の概要

(3)知恵の蓄積と活用のしくみづくり
~広く深く京都の知恵を収集し、新価値創造へ活用できるしくみづくり~

提案の要旨

知恵の価値の見える化と蓄積・活用のしくみ化

提案内容

上手く偶然を捕まえているなど知恵の優れている人(=「知恵人」)、事業展開のフェーズに応じて知恵を活用している事例(=「知恵の事例」)等の様々な知恵に関する情報について継続的な収集を行い、知恵のありかを明確にした上で、情報の蓄積を進めること。また、それらの情報の整理・分析を行い「知恵のデータベース」として活用可能な仕組みを構築すること。

具体的施策例
情報の蓄積
a)知恵人の情報
実践の上に理論が構築されるため、これまでに実際に事業で成功を納めてきた企業の経営者などを中心に「知恵人」として人材の情報収集を行う。
b)知恵人のいる企業情報
知恵人のいる企業にはアイディアやノウハウなどの参考となる情報が数多く存在するため、そうした学ぶことができる知恵のある企業の情報収集を行う。
c)知恵の事例
「新価値創造アプローチ区分」、「事業展開ステップ区分」のマトリックスにおいて、偶然を必然に変えていくために知恵がどのように使われているかという点を中心に「知恵の事例」の情報収集を行う。
d)商工会議所の情報
商工会議所において取り組まれている日々の業務の中で蓄積された知識やノウハウなどの情報収集を行う。
情報の活用の仕組みづくり

蓄積された情報については、知恵産業推進に向けて実用性と実効性を高めるべく整理・分析を進め、「知恵産業研究会報告書」やホームページなどにより、企業や人が情報を活用できる仕組みづくりを行う。そして、「知恵人づくり」、「知恵の獲得と価値化の場づくり」においても、それらの情報が有効活用できるようにする。

a)「知恵産業研究会報告書」の活用
「知恵産業研究会報告書」を用いて、企業に対して「知恵ビジネス」創造に向けた支援を行う。報告書の活用方法の例として、図表25に示すようなコンサルティングガイダンスツールの開発などは、より多くの企業が知恵ビジネスに取り組むためのきっかけづくりとなる。
b)ホームページの活用
ホームページの開設を行い、企業や人が「知恵のデータベース」に収められた情報をいつでも活用できるようにして、「知恵ビジネス」創造への土壌づくりを行う。ホームページの活用方法の例として、「強みの活かし方が分からない企業向け」、「強みに気づいていない企業向け」のページ作成による情報発信などは、各企業が現状を踏まえた上で、知恵ビジネスに関心を持つきっかけとなる。
c)地域SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)等の活用
地域内のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)などを用いて、ネット上で他社の情報を受け取るだけでなく自社の情報を発信できるようにして、双方向での情報共有とコミュニケーションにより、企業に対して「知恵ビジネス」創造への意識づけを行う。例えば、同じ課題を抱えている企業同士、あるいは、異業種の企業同士などが意見交換できる場となれば、「知恵ビジネス」が生まれるきっかけとなる。
知恵の蓄積と活用のしくみづくり

図表25.「知恵産業研究会報告書」によるコンサルティングガイダンスフロー図例

図表25.「知恵の事例集(仮称)」によるコンサルティングガイダンスフロー図例

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