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ヒアリングレポート30
株式会社 堀木エリ子&アソシエイツ
代表者 | 代表取締役社長 堀木 エリ子 |
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所在地 | 京都市右京区太秦森ヶ前町18 |
会社概要 |
オリジナル和紙の制作、施工上のディレクション、和紙装飾の企画制作、素材・商品開発 |
取材日/対応者:平成20年11月5日(水) /代表取締役社長 堀木 エリ子
時間の移ろいを感じる和紙本来の良さをきちんと伝え、魅力を最大限活かす商品開発。
常にチャレンジして技術を進化させて、革新から伝統に育てていくものづくり。
手漉き和紙の「強み」を最大限に活かす建築・インテリア分野への進出
「和紙は長く使えば使うほど質感が増す」という価値をきちんと顧客に伝える必要があると思い、手漉き和紙の良さを最大限生かすことができる分野を模索する中で、建築・インテリア業界の可能性に気づく。建築やインテリアでは、和紙が長期間使用でき、手漉きならではのデザイン力も活かせる。また、現場に応じた1点ものとして対応できることも利点として働く。そうした発想から知恵を働かせ、住宅や商業施設等の規模に見合った大きさの和紙を制作に取り組み、新たな分野への進出を果たしている。
顧客からの無理難題を時代の要望ととらえ商品開発
お客さんからの要望に決して「できません」と言わず、商品開発を進めている。建築家の伊東豊雄氏からは「和紙で卵型の照明を作って欲しい」という依頼を受けて、卵を表現するため骨組みのない作品"立体和紙"を作り出した。また、建築家・黒川雅之氏からは「和紙で小宇宙を表現したお茶室を作って欲しい」という依頼を受けて、宇宙を表現するため継ぎ目のない作品"繊維を漉き込み穴を開けた和紙"を作り出した(いずれも特許取得)。お客さんが要望していることがこれまでにない無理難題であればある程、それはまさに時代の要望であるということに気づき、その解決に取り組むことが革新的な商品開発へとつながっている。
和紙の「強み」と「弱み」双方を知って機能・用途向上への取り組み
和紙が新たな機能と用途を持ってこれまでにないシーンでの活用が進むように、デザイン・制作・図面・二次加工・施工などの様々な段階において独自の創意工夫が施されている。和紙の強みだけでなく、弱みも充分に知り尽くしていることが、その素材を活かすための発想を生み出している。
成田国際空港、そごう心斎橋本店をはじめ公共空間、商業空間を中心として建築物に作品が使用されている。
作品はタピストリー、光廊下、光壁、光柱、光天井、ライトオブジェ 他多岐にわたる。