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ヒアリングレポート20
佐々木酒造株式会社
代表者 | 代表取締役 佐々木 勝也 |
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所在地 | 京都市上京区日暮通椹木町下ル北伊勢屋町727 |
会社概要 |
清酒の製造・販売 |
WEBサイト | http://www.jurakudai.com/ |
取材日/対応者:平成20年12月25日(木)/ 代表取締役 佐々木 勝也
専務取締役 佐々木 晃
千利休が茶の湯に使ったといわれる名水「金明水・銀明水」が湧き出る洛中唯一の酒蔵。機械化の中にあっても、酒造りの工程の記録や、若い杜氏の常雇用などにより伝統の技を継承している。
大阪府立大学で発酵研究室を卒業した研究者でもある社長の杜氏との信頼関係や、研究会等での大企業の技術等との交流による品質の良いを造る技術力。
業界常識を打破し、小売店における販売ネットワークの独自構築
明治26年、良質の地下水に恵まれた京都上京の地に創業。現社長は大学を卒業しすぐに社長に就任。社会人になったばかりの若者が跡継ぎとして酒造りを始めたことで、京都市内全域の70近くの小売店が結成してくれた「聚楽会」という会でお酒を購入してもらう。当時お酒は問屋を通した販売が一般的であったが、これにより直接小売店を回るようになる。販売において、会社の規模が小さく社長自身のキャリアが浅いという弱みを逆手に取ることで、独自に小売店のネットワークを築くというこれまでにない発想が生まれた。
研究所のない点を公的機関との連携で補い、中小企業の利点を活かし、思いきった先駆け商品を開発
大手のような研究所を持たない点を、京都市工業技術センターと連携することで補う。開発されたばかりの新しい酵母を使うことはリスクが伴うため、大手企業ではなかなか着手ができない。ところが同社は小規模であるが故、他に先駆けて商品開発に着手できる。中小企業の弱点を補い、更にその強みを活かすことで品質の良い美味しいお酒を生み出している。
顧客・問屋との接点を大切に新たな市場開拓への宣伝・販売戦略
京都を中心に花灯路やJR東海の蔵見学会などのイベントとコラボレーションをして試飲会を開き、進化した日本酒の美味しさを若者に知ってもらう取り組みをしている。また、最近では、東京の問屋に出向いて、特定名称酒2割、普通酒8割という東京市場において、自社のブランドを大切にして、敢えて特定名称酒という厳しい市場での販路拡大に努めている。このように顧客の裾野を広げていきながら、顧客のダイレクトな反応や問屋から聞く様々な情報がマーケティングや商品開発に向けた知恵にもつながっている。
2003?2004年酒類総合研究所全国新酒鑑評会金賞,2007年インターナショナルワインチャレンジBronze