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ヒアリングレポート18
京都伝統工芸大学校
代表者 | 理事長 新谷 秀一 |
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所在地 | 京都府南丹市園部町二本松1?1 |
会社概要 |
専修学校 |
WEBサイト | http://www.task.or.jp/ |
取材日:平成20年10月14日(火)
国、京都府、(財)京都伝統工芸産業支援センターが全面的にバックアップ。専門分野の授業は京都の業界から派遣された伝統工芸士等の職人が直接指導。
デザイン系のカリキュラムも充実。デザイン力を持った工芸家の育成に努めている。
京都の匠の技を高等教育で伝承
現在の芸術・美術大学では学生に専門的な伝統工芸技術を充分には教えきれず、そうした技術をしっかりと指導して伝え、伝統工芸の後継者難という状況を解消する必要があるという思いの中、京都伝統工芸大学校は開校された。ここでは体系的な人材育成を行うために、カリキュラムは専門実習に重点を置き、週5日のうち3日が実習、1日がデザインの授業で構成されている。中でも実習はあらかじめ決められた作品づくりからスタートし、基本技術を繰り返し反復することで卒業後に仕事として充分やっていける確かな技の習得を狙いとしている。
学校運営を成功に結びつける発想
コースは当所2年制のみであったが、現在は高度専門課程による4年制もスタートして高校生の入学者が増えている。高校からの進学者には放課後に放送大学が受講できるなど、専門学校と大学の両方の良い点を取り入れるという新たな発想で学校運営が進められている。
指導が生きがいの工芸職人の協力
技術指導では専任教授は置かず、伝統工芸士等がローテーションを組んで週1?2回の時間講師をしている。当初、コースや専攻に応じてどの業界からどの職人を講師に招くか検討をしたが、候補者を絞り込めず講師候補リストは学生の何倍もの数になった。そこで、職人自ら講師に手を挙げてもらい、その熱意のある方々が中心となって開校からここまで前進している。工夫された指導内容の中で、学生は本物の職人から学ぶことができ、また職人は学生への指導を生きがいにして元気になるという双方のメリットが生まれている。
43名からスタートし、現在は約450名の在籍者を擁する。開校以来1,700人を超える卒業生を送り出し、京都をはじめ全国の伝統工芸産業の後継者を育成してきた。
2008年春卒業生から伝統工芸士第1号が誕生。京もの認定工芸士には毎年複数の受賞者を輩出。
2009年春高等専門課程卒業生の中から国立大学大学院への進学者も出ている。