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ヒアリングレポート13
株式会社 フィルノット
代表者 | 代表取締役 本田 寿子 |
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所在地 | 京都市下京区河原町五条上る東側 京栄中央ビル4F |
会社概要 |
光ファイバーを使ったテーマパークのナイトパレード用衣装の製造、メンテナンス。その他光る衣装、オブジェ(二次元の立面作品や三次元の立体作品)製造 |
WEBサイト | http://www.philknot.com/ |
取材日/対応者:平成20年6月16日(月) /代表取締役 本田 寿子、取締役 小? 幹太
編み方、結び方により光ファイバーの色合いや色の強弱を自由に表現できる色の表現力。
パレードの複雑な動きにも対応する運動性。
発注者のイメージを具現化する、デザイン力。
光ファイバーに想定外の曲げや結びを加えて多彩な色や光の強弱を表現
創業者である社長は、1965年、京都市内で編み物教室を開設。マクラメ(Macrame〔仏語〕、糸や紐を結んで模様にしたレースやふさ飾り)を得意とし、NHKにも多数出演。オブジェの新しい素材を探しているうち、1984年頃、光ファイバーと出会い、この光ファイバーの放つ光に着目。本来均一に光を走らせることが重要で、製造会社から「曲げるなどとんでもない!」と言われたが、あえて曲げ、結ぶことで、側面発光させ、3年くらいかけてムラや減光のない、多彩な種類の色や光の強弱を表現方法を確立。
1989年には名古屋デザイン博、1990年には大阪花博など光ファイバーの側面発光を使ったオブジェや衣装などの展覧会を開催、実績を積み重ねている内、1992年頃、千葉県浦安市のテーマパークの関連会社米国D社のディレクターに会い、2年後浦安のテーマパークで新たに開催するナイトパレードの各フロート、コスチュームのファイバーデザイン・制作を依頼された。
生徒さんたちに「どうしてもやりたいことがある」とお断りし、編み物教室を閉鎖。これら生徒さん数十人の助けを借りて光ファイバーコスチュームを制作した。これには約1年半を掛け、95年パレードが開始、大好評を得た。01年にはパレードが一新されたが、こちらも受注、09年大阪市でもパレードがオープンしたものも制作。ナイトパレードには欠かせない光アイテムとなっている。
繁忙期にタイムリーに優秀な人材を集めるシステムを構築
編み物教室から光ファイバーの衣装等の製造販売に転じた(株)フィルノットは、日ごろは5?6名の小規模経営だが、数年に1度大量発注のある、浦安市のテーマパークにおけるナイトパレードの改変時期には、かつての優秀なお弟子さんが集合、2?30人に膨れ上がって光ファイバーを使ったコスチュームの制作に当たる『風船企業』である。お弟子さんたちは子育て世代でパート等短期・短時間の職を求めている人も多く、この雇用形態も問題にならず、また独立して編み物教室で弟子を育成している人もおり、腕の良い技術者の新陳代謝にも貢献している。
浦安市と大阪市のテーマパークのナイトパレード・コスチューム制作
NYのマテリアル・コネクションに薦められて登録。シーメンス、シルク・ドゥ・ソレイユ(演劇)、BMWなど、世界の名だたる企業から問い合わせを受けており、NY進出も検討。