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ヒアリングレポート11
日新電機株式会社
代表者 | 代表取締役社長 天野 嘉一 |
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所在地 | 京都市右京区梅津高畝町47番地 |
会社概要 |
受変電設備、調相設備、制御システム、ビーム・真空応用装置、他 |
取材日/対応者:平成20年10月2日(木) /取締役会長 位? 光司
システム機器事業部長 明石 直義、総務人事部キャリア開発支援室長 太田 稔
受変電設備の専業メーカーとして研究開発に注力し、50年以上前から「コンパクト化」「低損失」「電気の品質改善」をテーマに製品の開発・改良に努めた技術の積み重ね。
顧客の製品使用現場まで付き合いがあり、顧客が期待していることを熟知している。
常識を疑い、画期的な遮断器の原理を活かして受変電設備をコンパクトに
受変電設備は改善の余地がない成熟した商品であり、売り方を工夫するしかないと開発部門は半ば諦めていた。しかし、良質な電気を送り出すことが目的である受変電設備は、それだけでは無用の長物。ないのが理想であるという逆転の発想で、小型化で価値を生み出そうという発想に至る。そこから「コンパクト化の日新」というスローガンのもと開発が進められ、自社のエンジニアが画期的な遮断器の原理を用いて考案した製品を世に送り出すことに成功する。事業では常識を疑い続け、これで終わりと思うことなく常に改善に向けた心構えを持って取り組むことが、革新的な商品の発想を生み出す。
「開発→標準化→コスト削減→利益上昇」の好サイクル化
「コンパクト化の日新」というスローガンによる製品開発は、遮断器だけに止まらず、配電盤においても進められた。そして、配電盤でも、「チビQ(縮小形スイッチギア)」と呼ばれる小型化された製品が新たに誕生した。知恵を絞って取り組まれる製品開発によって、「開発→標準化→コスト削減→利益上昇」というサイクルが構築され、また、そうした中では製品づくりにおける多品種少量生産も可能となる好循環が生まれている。
製造工程やクレームの洗い出しによる全体像の見える化を追求
配電盤事業が赤字に陥った際、まずその課題を掴むため、製造工程や人員配置などの現場作業を紙に落とし込み、また品質・コスト・納期に関する従来のクレームを洗い出すという全体像の「見える化」に取り組む。見える化を追求すると、担当者が責任を持って仕事を全うする仕組みづくりなどの改善のための対応ができる。課題の原因は人にではなく既存の仕組みにあるという着想が、その解決に向けた知恵を生み出している。
コンパクトで競争力のある受変電設備をショッピングセンターや大学、工場などに多数納入。66/77kV受変電設備について、2006年以降はトップシェアを継続。