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ヒアリングレポート10
中沼アートスクリーン株式会社

代表者 代表取締役社長 中沼 壽
所在地 京都市右京区太秦安井奥畑町23
会社概要
  • 会社創業 1954年3月、会社設立 1960年12月
  • 資本金 4,500万円、従業員 175名
  • 年間売上 34億円
事業内容
スクリーンマスク、メタルマスク、フォトマスク、スクリーン印刷、スクリーン印刷用諸資材、スクリーン印刷関連機械販

取材日/対応者:平成20年5月13日(火) /代表取締役社長 中沼 壽、副社長 中沼 督

強み

友禅のシルクスクリーン印刷技術を発展させた10ミクロン未満の幅の線を何層にも誤差なく積み重ねて印刷する製版技術。

知恵のつかいどころポイント

スクリーン印刷技術を高め、友禅から薄型テレビスクリーンの製版印刷へ

技術開発型・アイディア段階

昭和29年、左京区の6畳一間で「中沼写真型研究所」を創業。スクリーン印刷による友禅染を始めた。現本社地(太秦)には、昭和31年に移転。創業以来、繊維業界が顧客の100%であったが、昭和30年代に繊維が悪くなっていく時代、他の業界から、「こんなものにも印刷できないか?」という依頼を受けるようになった。例えば当時の立石電機の依頼で、自動改札実験機用の切符の磁気部分の印刷。ビールケースが木箱からプラスチックに変わる際には、何万というケースにビール会社名を印刷した。また、昭和40年代のグリコのチョコレート「ペロティ」のチョコレートの印刷。ICが小型化されれば、インクを重金属に変え、ミクロン単位の回路を印刷で行うまでに印刷技術を進化させた。

営業マンの情報から印刷製版技術が活かせる次世代の技術・商品ニーズをキャッチ

技術開発型・企画段階

商品にはその流行の寿命があり、いかに好況であっても、廃れていく製品を作っていれば会社は高収益を上げられない。逆に、いかに不況であっても、そのときのブームである製品を作っていれば、会社は高収益を上げられる。要はこれにあった製品を作ること。不況だから仕方ない、と社会のせいにするのが一番良くない。本社施設は既に研究機能のみであるが、十数名の研究者が常に将来を考え研究を行なっている。研究テーマは、営業マンが仕入れてくる情報をもとに考える。例えば、某社が有機ELのテレビの開発に力を入れるとすれば、それにどのような技術・製品が必要であろうか、という風に。

『黒子に徹し、最終商品に手を出さない』経営

技術開発型・流通販売段階

敢えて自社では川下商品まで進出せずに、黒子として部品を川下メーカー等に提供することにより、自社の市場分野の拡大可能性も確保している。

成果・実績

IC:印刷法により導電ペーストを『細く』、『高く』、『四角く』、9ミクロン以下の幅で微細回路として形成する「アイズ・テクノロジー」の開発

薄型テレビスクリーン製版:NHKがハイビジョン放送の普及のため、平成10年の長野オリンピックの数年前、薄型テレビ開発のプロジェクトを結成、全国から26社を集めた際の1社。20年4月ニューヨークで公開された150インチの薄型テレビを始め、現在パナソニックの薄型テレビ用スクリーンはすべて当社の製版。

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