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ヒアリングレポート8
株式会社 タカコ

代表者 代表取締役社長 皆見 良孝
所在地 京都府相楽郡精華町祝園西1丁目32番地1
会社概要
  • 会社設立 1973年
  • 資本金 約4億9千万円、従業員 286名
  • 年商 90億円
事業内容
油圧ポンプ部品、電子機器部品、各種精密加工品製造
WEBサイト http://www.takako-inc.com/

取材日/対応者:平成21年2月3日(火) /代表取締役社長 皆見良孝、常務取締役 千崎賢一
開発部長 樋口雄一、開発部専任係長 河野義彦

強み

球面を1000分の1ミリの精度で仕上げる精密加工技術と社内一貫生産システムにより、高品質、低価格、短納期で、小ロットから大量生産まで対応
"製品のあるべき姿"を見抜き顧客が図面に表せない部分も具現化し提案する技術力・ノウハウ

知恵のつかいどころポイント

アキシアルピストンポンプの将来性にいち早く着目、世界で最初に量産に取り組む

技術開発型・企画段階

同社の創業者である石崎現会長は、超高圧精密ポンプ・アキシアルピストンポンプの将来性にいち早く着目。これを量産できれば、世界市場を制することができると、この心臓部であるピストンを製品化した。

海外企業からの受注で実績を作り日本に凱旋

技術開発型・流通販売段階

実績を重視する日本市場では、この新型高性能ポンプを採用しようとするところはなかった。そこで、世界最大規模の国際産業見本市「ハノーバーメッセ」に出品、ボルボ社から当社初の大量受注を得る。この量産注文に対し、高品質の商品納入で応え、このピストンの大量生産に世界で初めて成功した。こうして海外市場で評価・実績を得て、日本に凱旋。他のポンプに比べ操作性がよく、高圧力のため、今では建設機械、工作機械、農業機械、航空機など様々な分野で使用されている。例えば昔のトラクターや田植機などの農業機械の走行(前後進)はギアの切り替え操作が必要であった。しかし、ロータリー方式の同社のポンプを採用して以来、レバー1本での前後進が可能となり、動きに途切れがない無段階変速が可能となった。また、騒音も画期的に少なくなった。現在は"小形化への挑戦"をテーマに、精密ポンプの搭載分野を拡大、このピストンの性能で社会に貢献するため、研究開発を進めている。

"本当にあるべき姿"を見抜いて、設計図に現れない顧客の思いを具現化し、顧客の期待以上の商品を製造

技術開発型・生産段階

同社の主力事業の一つが他社からのOEM生産受注である。同社は、これを単に設計図どおり精巧に仕上げるにとどまらず、"製品のあるべき姿"を見抜き、例えばエッジを曲面に仕上るなど、顧客が設計図に表せない部分も具現化し、発注者に、「あなたがほしかった製品はこれでしょう?」と、提案する想像力・技術力が、発注者からの高い信頼の源となっている。

成果・実績

国内及び海外で年間2,300万本のピストンを生産。国内シェア85%、世界シェア70%を占める。主要顧客はボッシュ、キャタピラー、コマツ、日立建機、ボルボなど、世界に広がる。このほか、自社開発製品として、超小形ピストンポンプ(ロボットのアーム、工作機械他多数)、超小形油圧式トランスミッション(HST(無段変速機)、小型農機具、小型除雪機他多数)を製品化。アメリカ、ベトナムにも現地法人を設立、世界に展開している。

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