トピックス
ヒアリングレポート5
株式会社 佐藤喜代松商店
代表者 | 代表取締役社長 佐藤 豊 |
---|---|
所在地 | 京都市北区平野宮西町105番地 |
会社概要 |
各種漆の精製、販売、スクリーン染色型、スクリーン印刷型の製版資材販売 |
WEBサイト | http://www.urusi.co.jp/ |
取材日/対応者:平成20年10月9日(火) /取締役 佐藤 貴彦
漆材料の研究開発を得意とする
あらゆる素材に漆加工する技術を有する
「MR漆」を利用した商品開発を行う
公的試験場の技術を活かし、革新的な漆の商品化
京都市産業技術研究所と日華化成(有)が特許を持っていた3本ロールミル精製漆の改良を重ね、「MR漆」(商標登録)を商品化。「MR漆」は、耐久性と速乾性に優れていたため、これまでの漆器・仏壇などとは違う分野でニーズの開拓ができるのではないかということに気づく。このままでは漆屋は先細りの産業になってしまうという危機感の中で、「MR漆」の強みを活かして、従来とは異なった業種で使ってもらうという発想が革新的な漆の商品化に結びついている。
「空気と水以外何にでも漆を塗ります」という姿勢で、研究機関、異業種の知恵を取り入れ
車に漆を塗って行った記者発表がきっかけとなり、これまで漆を使用したことのない多くの業界から、金属・ガラス・樹脂など様々な素材に漆を塗って欲しいとの依頼が殺到する。本業は漆を塗料として販売することであったが、職人や研究機関の協力を受けて、多様な素材に漆を塗ったことが貴重な経験となる。今では「水と空気以外なら何でも漆を塗ります」という姿勢が、異業種とのコラボレーションを加速させ、新たな商品開発につながっている。顧客が向こうから来てくれるシチュエーションを創り出し、そこでの試作品づくりによるノウハウ蓄積が新たな知恵を生み出す原動力となっている。
建築・塗装業者を対象に漆教室を開き販路拡大
経営面では漆を塗料として販売することを第一に考えて、全国各地で建築・塗装等の業者を対象に漆塗りの講習会を開催するなど漆の利用を広める活動に取り組んでいる。建築・塗装業者にとっては、漆塗りの技術があることで仕事の幅が広がり営業する際のメリットになる。自社だけで漆の販売を伸ばすことは難しいため、異業種とチームを組んでお互いにWin-Winの関係を築きながら販路の拡大を目指すところに知恵が使われている。
多種多様なものへの漆の活用
エレベーター扉、壁面パネルなど建築物、MR漆塗自動車(2003年完成)、皮革への蒔絵加工など