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ヒアリングレポート4
株式会社 最上インクス

代表者 代表取締役 鈴木 三朗
所在地 京都市右京区西院西寿町5
会社概要
  • 会社創業 1950年12月、会社設立 1965年1月
  • 資本金 4,600万円、従業員 約100名
  • 年商 約24億円
事業内容
金属プレス、精密試作加工、精密金型(主要製品:電気部品、電子部品、通信機器、OA機器、分析機器他)
WEBサイト http://www.saijoinx.co.jp/

取材日/対応者:平成21年3月16日(月) /代表取締役 鈴木 三朗

強み

薄金属板(厚さ0.1?0.3ミリ)に特化し、微細なものから、A3版程度の大きいものまで対応できる匠の技と柔軟な発想力。
精度、仕上げ等量産品と遜色ない試作品を作る簡易金型技術に基づく精密試作加工技術。

知恵のつかいどころポイント

試作ビジネスの将来性にいち早く気付く他社を10年先がける発想

技術開発型・アイディア段階

大量生産が主流の1979年に既に他社に先駆けて多品種少量生産に取り組む。バブルがはじけ、量産・コスト勝負の製造業が中国などに流れていく中、日本のものづくりは開発センターとしての機能が残っていくと考え、今度は他社が多品種少量生産に取り組んでくる中、1997年に多品種少量をさらに進化させ、試作部門の強化に取り組む。試作部門を売上げ全体の50%とすることを目標に掲げ、それまで量産屋のサービスと捉えられていた試作のイメージを一新、「薄板金属加工のコンビニ」を称して受注を伸ばしてきた。

あらゆる試作に対応するため金型の標準化を追求

技術開発型・研究開発段階

同社の試作品の売りは、量産品と比べて遜色ないことであるが、このためのコア技術が、簡易金型を作る技術である。金型がそれぞれ異なるのはその刃先であり、これを固定する装置部分の標準化を追求し、カセット方式に近いものにした。さらに、刃先も、例えば幅12ミリのものを作る場合、5ミリと7ミリの金型を組み合わせるなど、いかに簡易に作るかのノウハウを高めている。

「多品種少量生産」から「試作」へ進化、さらに「これができたら」という将来への目標

技術開発型・研究開発段階

技術は一朝一夕に築かれるものではない。同社の試作の技術・ノウハウは他社が大量生産に走る中、10年早く多品種少量生産に取り組んできた蓄積の上に成り立つものである。さらに多くの企業が試作分野に参入してきた現在、同社では「これができたら」という標語を将来のテーマに掲げる。発注する顧客でさえはっきり分からないことを「こう作ったらいい」という提案ができるのが同社にとってのものづくり企業の知恵ビジネスであり、このための技術・ノウハウを日々積み重ね続けている。

成果・実績

1997年から10年間で同社の試作部門の売り上げは500%の大幅増(10億円)。売上げ全体に占める割合も10%から45%と、目標の50%を達成しつつある。
2001年には京都府南部の金属加工企業約10社と連携し、京都試作ネットを立ち上げ。このグループの中心的存在として活躍。

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