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ヒアリングレポート1
尾池工業株式会社
代表者 | 代表取締役社長 尾池 均 |
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所在地 | 京都市下京区仏光寺通西洞院西入ル木賊山町181番地 |
会社概要 |
蒸着技術を使った各種事業。金銀糸、メタリック転写箔、軟包装の3つが売り上げの30%。エレクトロニクス関連材料とディスプレイ用光学フィルムが40%に上昇。機能性転写フィルム、自動車関連部材などその他工業材料が残る20%となっている。 |
WEBサイト | http://www.oike-kogyo.co.jp/ |
取材日/対応者:平成20年6月27日(金) /代表取締役社長 尾池 均
ドライコーティング(「真空蒸着」及び「スパッタリング」)と、有機・無機の化合物塗料を塗布するウエットコーティングの総合力。
公的機関の研究の事業化により、金銀糸のトップメーカーへ/アルミ蒸着・エレクトロンビームなど技術を高め、新たな分野へ進出
明治9年金銀糸製造販売業として創業。2代目は金銀糸の量産化、機械化に努め、外注システムの構築などにより、金銀糸業界での地位を獲得した。現在の尾池工業は昭和22年に設立。前社長(創業者の孫)は、学生のまま初代社長に就任した。当時の京都市工業試験場で真空蒸着により金銀糸を作ることを見学した前社長はこれの事業化を決意、大阪の会社と連携し、真空蒸着方式の量産機を作った。金銀糸は和紙に金箔を張り、細かく切って糸にするもの。前社長は真空蒸着の技術を使い、和紙の代わりにプラスチックフィルムを使用し、強く、安い金銀糸を製造することに成功した。昭和30年代には業界トップ企業になり、昭和30年代後半にはこの真空蒸着技術を使ってメタリック転写箔に参入。昭和40年代前半には軟包装(アルミ蒸着)、昭和40年代後半にはEB加熱蒸着技術やスパッタリング技術に着手するなど、次々に新しい分野、技術に挑戦。昭和50年代にはこれらの技術を求め、いろいろなニーズがでてきた。
真空蒸着技術を高め、金銀糸から機能性転写フィルムへ
昭和61年、京セラ総合研究所でトナーの研究開発をしていた現社長が入社した。トナーを代表とするイメージング用材料に強い関心を持っていた現社長は、イメージング分野の延長であるLCDなどディスプレイ関連の市場のニーズの高まりにいち早く着目し、同社が保有する技術を高めることにより、この分野への事業展開を強力に推し進めた。その結果、タッチパネル用透明導電性フィルムや各種光学フィルムやフレキシブル回路基板用材料などの分野に参入し、これらが今日では事業の中核をなすようになった。さらに現在では、プラスチック素材の表面を改質することに使用される機能性転写フィルムや自動車部品に使用される成型用蒸着フィルムなどへも進出し、先端産業に転化していった。
タッチパネルは抵抗膜方式の比率が高いが、この透明電導性フィルムについて世界シェア25%を占める。