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[コラム:知恵産業のまち京都(伝統産業編)] 京の技で世界へと羽ばたく

京の技で世界へと羽ばたく
 

多様な伝統産業が集積する京都。歴史を振り返れば、焼物や織物、浮世絵など日本の優れた伝統産業製品がヨーロッパの国々に輸出され、多くの人たちの心を魅了してきました。京都の中小企業の多くは、高度な技術やノウハウ、伝統的意匠を持っています。古来の日本文化と長年かけて培われてきた素材や技術、デザインなど自社の強みを活かすとともに、必要に応じて、異業種との連携によって弱みを補完することで、海外各国の顧客ニーズにあわせた新商品やサービスを生み出しています。

江戸時代後期創設の和傘メーカーである㈱日吉屋は、京和傘の構造と素材を活かした照明器具「KOTORI」を開発・販売し、新たな用途提案を積極的に行っています。最近では、自分たちの商品をもっと海外の人たちに身近に使ってもらおうと、スチール製のフレームを用いることで洋風空間にも合う「MOTO」を開発しました。海外市場で何が流行しているか、どのような商品が好まれるのか・・・。展示会への出展など、自らマーケットに飛び込み、現地ニーズをダイレクトにつかむことで、今や世界12か国に販売代理店を設けるまでに至っています。

異業種の企業と連携し、自社の技術やデザイン、素材などを提供することで、海外展開を実現している事例もあります。着物・和装製品を製造する㈱三才は、キモノデザイナーとして活躍する斉藤上太郎氏の独創的なデザインと同社の技術力を活用し、グローバルな販売チャネルを持つ家具メーカーとのコラボレーションを実現。これまでにないデザイナーズ家具のコレクションをイタリア・ミラノで発表しました。

ネームタグなど繊維副資材を製造するナクシス㈱は、バス、トイレを製陶するイタリアのメーカーや現地デザイナーの要望に応え、京都で培われた高度な織技術と素材を提供。開発されたシャワーカーテンは、製陶メーカーを通じて世界中で販売予定です。グローバル時代に順応しながら世界中に広がる京都の伝統産業を、あなたもぜひ探してみてください。

京都商工会議所では、自社の強みを活かしたインテリアや生活雑貨の海外展開をサポートする「Kyoto Connection」、海外進出に関する情報提供や各種相談を受け付ける「中小企業国際ビジネス相談室」、京都の文化、芸術、産業などの海外への情報発信を支援する「京都ブランドグローバル展開助成金制度」などを通じて、海外展開のお手伝いをしています。

<紹介事例>
・㈱日吉屋 照明器具「KOTORI」「MOTO」
・㈱三才  Jotaro Saito デザイナーズ家具コレクション
・ナクシス㈱ シャワーカーテン

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