「京都産業・知恵の発信」報告書

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第3章 京都企業の「知恵」の抽出

3.2 「新価値創造アプローチ区分」、「事業展開ステップ区分」別の知恵の使いどころ分析

図表24に整理した「知恵」を、まず「新価値創出アプローチ区分」に分け「事業展開ステップ区分」ごとの特徴を捉えると以下のとおりとなる。

(1)技術開発型

特徴

  • 資本・人材に余裕のない中小企業にとって、新製品開発で大企業に対抗することは困難である。これを打開するには、企業のもてる資源を意識的に「コア技術」に集中させることが重要である。
  • また、コア技術を元に他の分野に進出した場合においても、自社のルーツである技術を伝承し、次代の技術革新に活用する例も見られる。
  • 一見、まったく無関係な業種や分野に見いだされる知恵が、自社技術開発のブレイクスルーの起爆剤となった成功事例は少なくない。ここでは、自社課題の明確化と、外部への強い関心意欲の両者を高めた姿勢と視点がものを言う。
  • 自社の『強み』を知ることは、自社に欠けている点を発見することにもつながる。しかし、その欠点は自社内で克服するだけが解決策とは限らない。特に、中小規模の技術開発型アプローチにおいては、可能な限り技術的な強みに経営資源を集中することが望ましく、大学や公的機関との連携活用が極めて効果的である。
  • 技術開発型アプローチをとる企業にとって、強みに対するたゆまぬ向上努力は重要である。現状に満足して守勢にまわることが致命的になる。次のステージを常に探求し、技術革新を重ねることが企業成長につながる。

具体的事例

の事例

自社資源を一極集中して巨大企業に対抗、YAGレーザー加工機トップシェアに

(株)片岡製作所

印刷製版技術を磨き上げ、オンリーワンへ

中沼アートスクリーン(株)

あらゆる試作に対応するため金型の標準化を追求

(株)最上インクス

伝統の技術を守り続け、次世代製品の開発に活かす

(株)川島織物セルコン

の事例

異業種の協力を受けて、世界シェアNo.1のセラミックプリンターローラー開発

サンコール(株)

公的機関の研究成果の事業化により、金銀糸のトップメーカーへ

尾池工業(株)

「空気と水以外何でも漆を塗ります」という姿勢で、研究機関・異業種の知恵を取り入れ

(株)佐藤喜代松商店

企業と連携し、自らの研究を製品化、研究理論を社会に活かす責任を果たす

(株)センシング京都

の事例

アルミ蒸着・エレクトロンビームなど技術を高め、新たな分野へ進出

尾池工業(株)

「多品種少量生産」から「試作」へ進化、さらに「これができたら」という将来への目標

(株)最上インクス

「開発→標準化→コスト削減→利益上昇」の好サイクル化

日新電機(株)

ドライクリーニング機開発の成功に満足することなく、水洗いクリーニングに挑戦、新しい洗浄法を開発

(株)ハッピー