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[コラム:知恵産業のまち京都(ブランド編)] 職人の顔が見えるモノづくり

職人の顔が見えるモノづくり
 

何か買い物をするとき、その機能や品質、価格の違いが見えにくく、何を基準に選んでいいのか分からない・・・という経験はありませんか?秀でた技術やノウハウを持った職人のこだわりや想い、美意識を前面に打ち出すことで、言葉では伝わりにくい自社の商品価値を“見える化”し、ブランドを創出している事例が京都にはたくさんあります。

創業200年余の「亀屋良長」は、昔ながらの味や製法で銘菓をつくり続ける一方で、和菓子の裾野を広げ、若い人たちにも気軽に食べてもらえるような新感覚スイーツの開発にも力を注いでいます。昨年、パリの二つ星レストランでシャフパティシエとして活躍していた藤田怜美さんを採用し、新ブランド「Satomi Fujita by KAMEYA YOSHINAGA」を立ち上げました。洋菓子の本場で学んだ素材や製法を巧みに融合させ、白餡のスポンジ生地とクリームチーズ餡が絶妙な「餡之匣(あんのはこ)」など、和菓子の新境地を開拓し好評を得ています。老舗としての信頼のうえに、新たな感性を持った菓子職人の名前を冠したブランドを立ち上げることで、新しいジャンルのお菓子の商品価値を分かりやすく伝え、新市場の創出につなげています。

明治24年創業の老舗「竹中木版竹笹堂」。5代目の竹中健司さんは伝統摺師としての技術を継承し、木版画作品を制作するほか、国内外でのイベントや木版印刷の楽しさを伝える手解き本の執筆などに取り組んでいます。近年は、異分野の市場開拓に挑戦。6代目の原田裕子さんと共に、ブックカバーや手帳など多様なステーショナリーを手がけています。また、著名な漫画の原画を木版で再現するなど、ユニークな取り組みが注目を集めています。確かな技術力や熱い想いに裏付けられた作家としての人間的魅力や社会活動を発信することで、共感や期待感を顧客に与えて商品の訴求力を高めています。

京都商工会議所では、商品やサービスの機能だけではなく、デザインや物語性、感性など、いわゆる文化的価値を有する「創造的文化産業(クリエイティブ産業)」を次代を担う成長分野に位置づけ、モデル企業選定事業などを通じて、その振興に取り組んでいきます。

あなたのお気に入りのブランドは、どんな職人が作っているのか、ご存じですか。

<紹介事例>
・亀屋良長
・竹中木版竹笹堂

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