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[知恵のチャレンジャー・ネットワーク] 第2回セミナー「ソフトパワー産業」(11/17開催) 報告

知恵のチャレンジャー第2回セミナー 「ソフトパワー産業」に関心を持つ事業者や支援団体職員など約60名の参加のもと、知恵のチャレンジャーの事例を紹介した。(株)アクシュ安高社長が「京都と世界を結ぶ情報提供事業」、武士(株)安丸社長が「日本の伝統を遊ぶ、ならいごとの十色」について発表した後、立命館大学経営学部中森准教授とのディカッションを実施し、知恵の使いどころを検証した。


■(株)アクシュ「京都を世界に結ぶ情報提供事業」の知恵の使いどころ
人口減少が進むなか、外国からの観光客誘致が地域経済の活性化の大きな要因になると考えられています。しかし諸外国と比べ、日本の観光情報は海外への発信が適切であるとは評価されていません。私はアクシュの母体となった企業で、外国人の語学教師の家庭への派遣を行っていましたが、登録外国人教師から同じような声が多く上がり、海外向けの京都ポータルサイト「KYOTO KYOTO.JP」を立ち上げ、アクシュを創業しました。体験に関わる情報提供に重点を置くなど、外国人の目線から、京都の魅力や実用的な情報を伝える当サイトへは多数のアクセスがあり、店舗や旅館など掲載することで広告料収入を得ています。また、掲載店などの海外向けウェブサイトの制作受託、語学研修や外国語メニュー作成といった外国人観光の受け入れ支援サービスも提供しています。
アクシュの大きな強みのひとつが1800人もの外国人登録者を持っていることで、この強みを生かし、企業のマーケティング支援という新たなビジネス展開も行いつつあります。グローバル化とともに、海外向けビジネスは拡大することが必至ですが、マーケティング調査に協力できる在日外国人をスピーディに手配できる企業は限られています。既存の広告代理店とは一線を画して、付加価値の高い独自サービスの創造にチャレンジしています。


■武士(株)「日本の伝統を遊ぶ、ならいごとの十色」の知恵の使いどころ
 日本には魅力的な伝統文化の蓄積が豊富にあるにもかかわらず、必ずしも有効に活用されておらず、また、日本文化を楽しんだことのない日本人もおられるのではないでしょうか。武士では、気軽に日本文化を楽しめる場やコンテンツをつくるべきという問題意識から、京都市中心部の京町家で日本文化を楽しく学ぶ教室「ならいごとの十色」を半年前にオープンしました。お香、日本茶、和菓子づくりなど、十数種類の教室を開催していますが、「気軽に楽しもう」「いろいろ楽しもう」「自分の生活のなかで楽しもう」という特徴があり、20?30歳台のOLを中心に、多くの生徒が集まっています。
事業の中心は京町家での教室開催ですが、京都以外での地域からの教室開催の引き合いもあり、すでに東京でもイベント的に開催しています。あわせて京野菜のロールケーキなどの商品も開発し、外販にも取り組もうとしています。また、自国文化の理解は異文化コミュニケーションの基礎となりますが、英会話教室やグローバル企業等からも日本文化研修プログラムの依頼も受けています。今後も、多くの方々の協力を得ることで、教室・研修事業の拡充や商品・コンテンツ開発など、事業の幅と厚みをつくることに取り組んでいきたいと思っています。
 

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