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有限会社 綵巧(さいこう) 代表取締役 室門 恒明さん 取締役 室門 耕一郎さん

世界唯一の織機から生み出されるここにしかない生地

「三軸組織(さんじくくみおり)」が織りなす多様な世界

Q 御社の事業内容を教えてください。

室門さん 当社で所有する特別な織機を用いて「三軸組織(さんじくくみおり)®」という、京組紐の技術とイタリアのトーションレースの技術を融合させた織物を製織しています。そのほか、自社工場内でデザインから製織まで一貫して行える「西陣御召」の生産、西陣織と金彩加工を組み合わせた艶やかな「織り金彩」、熟練者しか使いこなすことができない四重経広巾手機織機によって複雑に織りあげられる「唐緒緞通(からおだんつう)」など、伝統技術を駆使して当社独自の生地をつくっています。

Q 三軸組織の特徴を教えてください。

室門さん 「三軸組織®」は、垂直の経糸に対して、二方向から糸が斜め45度の角度で交差するという複雑な技法で織り上げられる製品です。三軸組織®は、斜めから糸が織り込まれているため、生地が緩まず、皺にもなりにくく、糸が複雑に交差することで光の屈折が生じ、独特の光沢を放ちます。また、多彩な色の糸を使用することで、絶妙なグラデーションが生み出され、多様なデザインの生地をつくることができます。
この織り方を可能にする織機(大型環状織機)は、かつて世界に6台ありましたが、現在では当社が、亀岡工場で所有する2台のみになりました。特殊な機械のため、専門の業者がおらず、機械に不具合が生じたときは、自分たちで修理を行なっています。

Q 京商を活用されたきっかけを教えて下さい。

室門さん 大型環状織機は、どこかの部品が壊れてしまった場合、既製品がないため、部品も工場にお願いしてオリジナルで型から作ってもらわなければいけません。そのため、通常の機械の部品よりも価格が高額になってしまい、ほんの僅かな故障でも、修理費用がかさんでしまいます。そこで、なにか使える補助金がないかと情報を探していた時に、京商の存在を知りました。
京商に相談した後、経営支援員からのアドバイスを受けながら「小規模事業者持続化補助金」を申請し、補助金の交付により、小ロットでの受注も可能になるよう機械の設備投資を行いました。また、経営支援員から自社の事業の見直しや今後の計画などのために作成を勧められた「知恵の経営報告書」によって、「知恵の経営」実践モデル企業認証を得ることができました。報告書の作成にあたっては、自分たちの強みや、課題などに気付いたり見直したりする良い機会となりました。

Q 今後の目標を教えて下さい。

室門さん これまでは和装業界を中心に「三軸組織®」を卸し、帯などに使われてきました。ただ、ライフスタイルの変化により、今までと同じやり方で続けていくことは困難です。「三軸組織®」は、我々しか作ることが出来ないので、「三軸組織®」を使った商品は全てオリジナル商品になります。これまで、フランス等の海外有名ブランドが独特なデザインの生地に興味を示し、ファッションショーで使用されたこともあります。使用する糸の本数によって、生地に柔らかさを持たせることも出来るため、生地の用途は幅広くなり、新しい可能性がどんどん広がります。従来の枠組みを超えた新しい織物市場の開拓を目指し、異業種とのチャネルを活かした商品提案や販路開拓を行っていきたいと考えています。また「三軸組織®」は、生地自体に表裏がないため細かな加工品にも使用可能であることから、加工用生地として短い長さで商品化することで、難物等のリスクが軽減されることから、若手職人の育成にもつながります。技術の継承には、若手の育成も重要なので、若い人の意見も聞きながら、経営支援員からの親身なアドバスを参考に、新たな商品の開発に力を注いでいきたいと思います。

令和元年度 伴走型小規模事業者支援推進事業

取材日:

企業DATA

有限会社綵巧
◉住所:京都市北区大北山原谷乾町198-2
◉電話番号:075-465-0718
◉事業内容:三軸組織織元、西陣織元
◉Website :http://nishijinori-saiko.jp/
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