Q 御社の事業内容を教えてください。
畠山さん 当社は、創業1751年の江戸時代から続く宇治茶製造卸問屋です。世界にたった一人しか生産者がいない手摘み有機栽培の抹茶など、京都府産100%の高級茶や、フレーバーな味わいが魅力の「舞妓ちゃんシリーズ」など、オリジナル商品も販売しています。
Q 御社が京商を活用することになったきっかけを教えてください。
畠山さん これまでは専門店にお茶を卸売してきましたが、スーパーやコンビニなどでお茶が容易に手に入るようになり、お茶を取扱う専門店の数がどんどん減ってきました。そこで、海外での展示会への出展や商品開発に取り組むなど、試行錯誤をしていましたが、自分たちだけではノウハウに限りがあり、京商に相談することにしました。
Q 京商からは、どのようなサポートがありましたか。
畠山さん まずは、経営支援員の勧めで専門相談を活用しました。中小企業診断士の相談では、260年以上続く当社の歴史の古さが海外や他府県のお客様から関心を持たれやすいことや、当社が創業より一貫して取り扱っている手摘みの高品質な抹茶が、「ほんもの」を求めるお客様にとって価値のある商品であるなど、自分たちでは当たり前だと思っていたことが、実は他には真似の出来ない強みなのだということに、改めて気付かされました
Q 強みの高品質な抹茶・宇治茶のこだわりは。
畠山さん 当社の契約茶園さんでは農薬、化学肥料を使わない茶葉を自然栽培にて、丹精こめて作りあげています。そのなかでも、JAS有機抹茶を含め計4つのラインナップによるJAS有機栽培茶は、各種認証を取得し、お客様に安心・安全で高品質のお茶をお届けしています。
Q OEM事業にも力を入れているとお聞きしていますが。
畠山さん 専門相談のなかで気付いた自社の強みや魅力をOEM事業(※)に盛り込むようにし、商談会やマッチング事業など京商の様々な販路開拓支援を活用しながら、国内外にビジネスチャンスを広げています。それ以外にも、抹茶を使ったレシピ本を料理研究家とのコラボで作成したものを、取引先のレストランやカフェに配布し、新たな抹茶の魅力を提案することで、次の需要に繋げようとしています。
(※)OEM(Original equipment manufacturerの略。委託者のブランドで製品を生産すること)
Q 今後の目標を教えてください。
畠山さん 京都のお茶文化を発信するために、将来的には、店舗の一部をお客様に開放して、抹茶を挽いたり飲んだりできるような体験スペースを設けたいと考えています。契約している茶農家を見学してもらうなど、生産者と販売店、消費者が一体となって、有機抹茶の魅力を伝える仕掛けづくりができればと思います。今後の進め方についても、経営支援員のアドバイスを期待しています。
令和元年度 伴走型小規模事業者支援推進事業
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