京のCSRガイドライン

京のCSRガイドライン

ガイドライン項目

ガイドラインのまとめ方

基本的な取り組み(企業として必ず取り組んでおきたい項目)は太字で示しています。
「これは自社でも実践している」、「この取り組みならできそう」といったように、自社で取り組みを進める際の参考として下さい。
★印は、各企業の“強み”、“知恵”を活用した「戦略的CSR」の事例です。

I.よりよい社会に向けて、自社の理念を示しましょう(経営理念の明示・浸透)

経営理念は、企業が「何のために社会に存在し、経営を行うのか」という経営者の倫理観、経営思想や、事業を通じて社会に貢献すること、社会的使命を果たしていくことを社内外に明確に宣言することで、社会的な理解と信頼を築くとともに、従業員の結束を強化することになります。経営理念に基づき、行動基準や事業ビジョン、計画に落とし込んでいき、常に社内のコミュニケーションを図り、経営者の考えを社内に浸透させていきましょう。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • 社会の中での自社の役割・責任が経営理念に反映されている
  • 経営理念が従業員に十分理解され、浸透している
  • 経営者が朝礼で訓示を行うなど、機会をみて従業員に思いを伝えている
  • 経営理念が事業計画等に反映されている
  • 経営理念が製品・サービス、従業員教育等に生かされている
  • 経営理念を浸透させるための研修・課外活動などを実施している
  • 経営理念が自社に関するすべてのことを決する(判断する)ための基準となっている

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

A社では、経営理念を徹底させるため、社内の主要な部屋に経営理念を貼り出し、社内報、社外向けパンフレット等でも理念やその解説、経営者の考え方などを記載している。

B社では、月に一度、社長から経営理念等についての訓示の機会を設けるとともに、経営理念の浸透に向け、従業員、関係先との懇談の場を設定している。

京都では…

京都には数多くの老舗企業があります。何百年も継続している企業の経営理念には、必ず社会を惹きつける内容があります。理念の中身が適切であれば時代が変わってもずっと通用します。新しい企業、古い企業に係わらず、京都の老舗企業の理念に学ぶこともお奨めします。

[参考]経営理念にはこのような内容を盛り込みましょう

  • 企業を取り巻くあらゆる関係者(ステークホルダー)に対する感謝の心
  • 自社の勤勉性
  • 経営や技術伝承などにおける工夫・自社の特徴
  • 質実・倹約の心
  • 社会的存在価値、企業価値創造(社会に対する貢献) など

II.社会の一員として企業倫理・法令遵守を徹底しましょう(誠実な企業活動)

企業が最低限守るべき義務である法令遵守、企業倫理を徹底することが大切です。また、法令を守ることは当然のこととして、社会に対して誠実であるか、社会良識、倫理に反していないか、反社会的勢力の排除に努めているか、社会的模範となっているか、自社の仕事、自分の仕事内容を誇らしく家族に話せるかなど、わかりやすい基準が必要です。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • 社会の一員として倫理的な行動に努めている
  • 法令遵守の大切さを社内で徹底させている
  • 企業倫理規範、行動規範・法令遵守マニュアル等を策定し、全社員理解に努めている
  • 法令遵守・企業倫理を高めるための教育・研修事業を実施している
  • 法令違反行為が行われていないか互いに注意し、定期的にチェックしあっている
  • 関係法令などについて最新の情報を入手している
  • 企業を取り巻くあらゆる関係者(ステークホルダー)との対話を心がけ、双方向コミュニケーションを実施している
  • CSR報告書の発行、ホームページ等での情報開示に努めている
  • 反社会的勢力との関係は断固として排除する決意を表明し、従業員に周知している
  • 社会、地域(京都)、自社の歴史・伝統に対する自覚と責任を意識している (★)

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

A社では、社会人としての基礎知識の共有や自社事業に関する法令遵守、企業理念や企業倫理を徹底させるため、入社後3ヶ月を経過した全従業員に対してコンプライアンスを含む研修を定期的に実施している。

B社では、難しい法令遵守を徹底させるため、法令や事業に関係する規定などをわかりやすく従業員に示せるような副読本を作成している。

食品会社C社では、全従業員に対して、老舗企業としての歴史(これまで無事故であり、企業として信頼を築いてきたことなど)を理解するための研修時間を設け、自覚を促している。(★)

III.個人を尊重し、つながりを大切にする職場環境をつくりましょう(従業員の幸せ度の向上)

従業員は企業の経営資源として大切な要素ですが、一人ひとりの人権、社会性を尊重することが最も重要です。安全衛生、作業負荷の把握はもちろんのこと、介護、子育て支援などのワークライフバランスへの対策、メンタルヘルス(心のケア)の増進の検討も必要となります。

また、従業員の能力を最大限に引き出せるよう、研修体制を整備し、透明な評価やチャレンジ機会の創出による能力開発、やる気を促す環境づくりを推進しましょう。

また、社会の要請として高齢者、障がい者、外国人などの雇用についても対応が必要となってきます。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • 従業員のワークライフバランス(仕事と生活の適正なバランス)を意識している
  • 多様な人材を雇用し、あらゆる差別の解消に取り組んでいる
  • 職場内での挨拶・会話・コミュニケーションを大切にしている
  • 従業員に研修や自己啓発、文化活動等への参加機会を設けている
  • 個性を発揮し、やりがいのある職場をつくるため、資格取得制度補助や表彰制度等を導入している
  • 従業員の仕事と家庭の両立が図れるよう配慮している(育児・介護休暇等の制度充実など)
  • 従業員の福利厚生制度の充実に努めている
  • 労働環境における安全衛生の整備に努めている
  • 過剰労働の防止やメンタルヘルス(心のケア)の増進に努めている

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

A社では、3歳未満の子供を育てる社員を対象に「1日5時間フレックス勤務制度」を導入。育児休業から復帰する際のステップとして好評を得ている。(★)

B社では、育児休業中の社員に対する在宅講習や復帰後の研修などを盛り込んだ「職場復帰プログラム」を実施。また、出産・育児を理由に退職した勤続5年以上の職員を優先的に再雇用する「退職者再雇用制度」を導入している。(★)

C社では、社内で茶道や華道、コーラスなどが学べるサークル活動を積極的に支援しており、発表会の機会などを通じて、社員、その家族との交流を深める機会を創出している。(★)

IV.社会に対して、信頼を得る取り組みをしましょう(顧客満足度の向上)

取引先とは自由で公正な取引ルールを尊重し、情報漏えいなどが起こらないよう情報管理に努めましょう。また、不正な商慣習の徹底排除、決済スピード等の改善も重要です。お客様に対しては、安心・安全で確かな品質の製品、サービスを適正な価格で提供し、製品やサービスの情報公開「見える化」を徹底しましょう。万が一、商品・サービス内容等に欠陥があった場合などには迅速な対応が重要です。誠実なサービスのための人材育成、研修事業、内部監査の徹底など、常に顧客満足度向上を意識した事業活動を心がけましょう。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • お客様、取引先には常に真摯に対応している(信頼されている)
  • 常に顧客満足度の向上に努めている
  • 苦情・要望・意見に対応する準備ができている(担当や専用窓口の設置など)
  • 自社製品などに対しては安全基準を策定し、遵守している
  • 商品・サービスのリコール制度の整備・徹底
  • 信用・信頼を獲得するため、常日頃から社員への教育・研修を徹底している
  • 自社事業・製品等に関連する情報・問題等については隠さず、世の中へ公開している
  • ISO9001の取得など、品質管理の徹底に努めている

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

A社では、事故が発生した場合、適時報告できるよう開示方法をあらかじめ定めている。

B社では、顧客の安全を第一に考えた安全基準・設計基準、事故防止マニュアル等を作成し、従業員へ周知徹底している。

通販で化粧品等を取り扱うC社では、HP等からお客様の意見等を常時受け付けるようにし、苦情に早急に対処できる体制を整備している。

産業用機械等を扱う商社D社では、自社製品や技術・開発力等を広く紹介する展示会を開催し、取引先や関連事業者に対するサービス強化と情報公開に努めている。

京都では…

京都には、目先の利益にとらわれることなく、常に「お客様を裏切らない」姿勢で、堅実で身の丈にあった経営に努め、長く継続している老舗企業が数多くあります。

V.知恵を活かしたよりよい製品・商品、サービスを創造しましょう(本業を通じたCSRの実現)

経済のグローバル化、顧客ニーズが大きく変化していく中で、自社の“強み"、“知恵"を活かし、企業として持続的成長を続けていくための事業を展開していきましょう。

ここでは「戦略的CSR」として、本業を通じて、医療、健康、環境、観光、福祉、介護などといった新たな分野、社会的課題に対応した事業(製品、商品、サービスの提供)を展開し、新たな市場を創造していきましょう。 また、地域資源を活用した製品やサービスの開発は、自社経営、売上げの向上とともに、地域経済の活性化にも貢献します。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • 自社の強み、個性について社内で十分理解・認識している
  • 自社の製品、サービスが社会の中でどのような役割を果たしているかを意識している (製品・サービスの社会との結びつき)
  • 自社の“強み"を活かし、顧客ニーズ、課題解決に対応した製品・サービスを提供している(★)
  • 製品・サービスの提供には常に改善を図るとともに、新たな顧客創造にのぞむ姿勢がある(★)
  • 製品・サービスを通じて、地域経済の活性化に寄与している(★)
  • 障がい者や高齢者にも使いやすい製品(ユニバーサルデザイン)の開発など、社会・環境配慮型製品・サービスの開発・提供を進めている(★)
  • 京都の歴史、伝統、文化、革新、進取の気風など、“京都らしさ"を意識した製品・サービス展開に努めている(★)

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

金属箔・金属粉などの製造技術で伝統産業を支えてきた老舗企業A社では、技術力を活かし、時代のニーズに合わせて、自動車、携帯電話、パソコンなどあらゆる機器に使われる金属箔や金属粉などを製造している。(★)

京都の老舗和装企業B社では、昔のデザイン、図柄等を活用し、現代のライフスタイルに見合った高品質・高付加価値の生活雑貨商品を提案している。(★)

機能性食品素材などを手がけるC社では、社会の健康志向の高まりを受けて、食品メーカー等との連携により菓子類やサプリメントなどへの商品展開を進め利益をあげている。(★)

高齢者が多い商店街の魚屋D商店では、近隣のお年寄りの御用聞きサービスや食べやすく調理した魚の販売など、きめ細かな対応をすることで売上げを伸ばしている。(★)

京都では…

自らの“知恵"を活用するのはもちろんのこと、京都という地域で事業活動することそのものを“強み"と捉え、技術開発、新商品開発などで大学や異業種分野との連携・協力、NPO法人などの活用も考えられます。

VI.多様な個性が生かされる、共存共栄の社会をつくりましょう(地域社会への貢献)

「企業市民」といわれるように、企業は地域社会を支える一員です。地域の歴史、伝統、文化などを十分に考慮した上で、地域内の行事や祭り、催しに参加し、地域社会と積極的につながり、かかわりを持つように心がけましょう。地域の活性化を促すことは、自社の発展につながり、お互いの共存共栄の関係を成立させます。

経済団体や同業組合などの活動に参画することは、業界の活性化や後継者育成、職人や技術の継承を図るためにも有効な手段です。自社だけではできない取り組みも、組合や金融機関、NPOや大学、各種団体、住民、行政等と連携することで、地域社会に貢献することができます。

また、地域社会を構成している「人」に着目することが大切です。人を大切に思うこと、人とのつながりがすべての活動の基本となります。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • 京都のよさや自社の特色を活かした活動を通じて、地域社会とのつながりを持っている
  • 地域の一員として、地域住民とのコミュニケーションを意識している
  • 地域のお祭り、町内会活動などへ積極的に参加している
  • 近隣の清掃活動、交通安全運動などを率先して実施している
  • 工場、企業見学等の積極受け入れ、地域住民に対し企業公開日を設けている
  • 従業員のボランティア活動等を奨励し、支援する雰囲気がある
  • 地域の歴史・文化・慣習を理解・尊重し、それを守り、継承していく意識が社内に浸透している
  • 京都の伝統・歴史保持、文化・スポーツ振興などに向けた支援、協力を積極的に進める(★)
  • 理科・環境学習、交通安全教室などの出前授業を実施している(★)
  • 行政や経済団体、大学、NPO等との連携により、地域活性化の事業を展開を進めている(★)

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

精密機械メーカーA社では、年に数回、自社の1階ホール(公開スペース)を地域住民に提供して、市民コンサートを開催している。(★)

医療機器メーカーB社では、自社の開発した医療機器を使用して、発展途上国の子どもたちを治療するボランティア活動を行っている。(★)

老舗企業C社では、自社の歴史的建造物や昔の道具・機械、商品などを無料で展示・公開している。(★)

測定機器メーカーD社では、環境負荷を測定する機器を活用し、地元小学生への環境出前授業を実践している。(★)

食に携わるE組合では、加盟するお店の職人が結束して、次世代の料理人や技術者を育成するための活動を展開している。(★)

京都では…

京都は、職住共存している地域が多く、企業が地域社会を通じて活躍する場面がたくさんあります。また、京都での“つながり"を積極的につくっていくことによって、地域、業界、異分野などとのネットワークを育み、CSR活動を通じて自社の経営環境整備を進めましょう。

VII.環境に配慮した事業活動を推進しましょう(地球環境問題への取り組み)

職場内におけるCO2排出削減、省資源・省エネルギー、3R(廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル))に取り組みましょう。グリーン購入、ISO14001やKESといった認証の取得も有効です。京都の自然環境を保全する活動も重要です。また、自社技術を活用した環境配慮型商品・サービスの開発・提供にチャレンジしましょう。

【チェックポイント】

自社での取り組み状況を確認しましょう!
(太字が基本的CSRです。基本的な取り組みはできていますか?)

  • 事業活動において、省エネ、CO2削減、3Rなどに意識して取り組んでいる
  • 地域・近隣の環境悪化・迷惑につながることはしない
  • 事務所内の機器の買い替えなどの際は環境への影響が少ないことを基準に選んでいる(省エネ機器への転換など)
  • 環境問題について社内で意見交換や教育の機会を設けている
  • 環境問題に対する自社の目標を掲げ、取り組み状況をチェックする体制を整備している
  • 環境への意識付け、京都らしい「もったいない、始末・倹約」の精神が社内に浸透しており、自社の経費節減にも繋がっている
  • エコカー、太陽光発電、LEDなど新たな技術・製品の導入を積極的に進めている(★)
  • 環境に配慮した商品・サービスの研究・開発を進めている(★)
  • 京都商工会議所の事業者向け「環境家計簿」に取り組んでいる
  • ISO14001やKESを取得している

例えば… 具体的にはこんな取り組みがあります。

鉄道会社A社では、環境問題に対する公共交通機関の使命として、環境にやさしい鉄道車両を導入するとともに、バスは天然ガス車を導入し、エコドライブを推進している。(★)

B銀行では、行員の家庭や社員食堂から発生する使用済み天ぷら油の回収事業を行っており、回収した油は業者を通じてバイオディーゼル燃料へリサイクルされている。(★)

旅行会社C社では、市内を自転車や電動機付自転車でまわるエコ観光ルートを設定し、観光客のエコ意識向上にも寄与している。(★)

学生服等を製造・販売するD社では、制服のリサイクル、リペアなど「服育活動」を推進し、学生への環境学習を実践するとともに、環境に配慮した製品の開発を積極的に進めている。(★)

Eホテルでは、室内のアメニティグッズの削減やシーツやタオルの無交換の協力など、宿泊者に対するエコの取り組みを奨励し、地球環境への貢献を率先して実践している。(★)

京都では…

京都は京都議定書採択の地であり、京都企業も環境に対する意識の高い企業が数多くあります。KESなど京都独自の環境認証システムもありますので、取得することもお奨めです。