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メールマガジン 過去分の掲載(第115号)30%落ち込んだ売り上げを埋める

2020/11/19

京都府事業引継ぎ支援センターでは、 メールマガジンを配信しています!
過去に配信したものをこちらでお読みいただけるように掲載していきます。
是非、ご一読ください。

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・・・・・事業引継ぎの現場から・・・・・
【京都府事業引継ぎ支援センターマネジメントレター】 
第115回配信分2020年11月19日発行
30%落ち込んだ売り上げを埋める
(京都府事業引継ぎ支援センター 統括責任者 成岡 秀夫)
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<はじめに>
・これからの事業を売上70%で回すには相当無理があり、難しい企業は多いは
ずだ。だいたい優良な企業でも80%くらいが損益分岐点だから、70%なら完全
に赤字になる企業がほとんどだろう。一部の企業は利益率が非常に高く、70%
に売上がなってもそんなにバタバタしないでもいられるだろうが、大半の企業
は持ち出しになり、キャッシュが目減りし、どんどん手元の現預金が減ってい
く。それでは企業経営は成り立たないから、この30%目減りした部分を何とか
カバーしないといけない。当面は、経費を削減し返済を減額し、なんとかキャ
ッシュバランスを取ろうと努めるのが普通だ。しばらくは、それで持ちこたえ
るようにしないと仕方ない。その間に次のことを考える。

・この落ち込んだ30%を何でカバーするのかは非常に重要で、重たいテーマ
だ。まず、やらないといけない作業は、経営陣特に現在の経営者と後継者の間
で、この件に関して意思疎通を図り、同じ方向を向くように努力しないといけ
ない。往々にしてあるのは、現在の経営者と後継者の間で、この方針に関して
意見の相違があることだ。それも、堂々と話し合いをしての意見の相違ならい
いが、ほとんどそういうことに関してコミュニケーションがなされないまま、
お互いに本音を言わずに腹の中がわからない。そして、そのまま業績はコロナ
でじり貧になり、対策がばらばらになる。現在の経営者は現在の事業を立て直
そうとし、後継者は現在の事業よりほかの事業に投資をしようとする。

<意見の相違は必ずある>
・最近の例では、ある製造業者でやはり業績が50%前後に落ちてしまった。現
在の経営者はここしばらくの体調不良から、今後、現在の事業を回復させてい
く気力が出ない。思い切って製造業を止めて、ここに不動産を建てて賃貸マン
ション事業をやる計画を具体化しようとする。しかし、逆に後継者の息子たち
は現在の事業を継続するために、新規の得意先開拓に汗を連日流している。住
まいも別々なので、お互いに顔を会わせて真剣な会話をする時間はほとんどな
い。ないというより、お互いにそういう話題に触れたくない。顔を会わせても
この件ではしゃべらない。

・別の経営者の例では、それまでにも徐々に売上は減少していたのだが、さら
にコロナが追い打ちをかけてまさに30%落ち込んだまま回復の兆しが見えない。
数軒の店舗を有しているので、何とか採算ぎりぎりの店舗と完全に採算割れし
ている店舗が混在するものの、現在の経営者は従業員の顔がちらついて、閉店
解雇を決断できない。できないままずるずると数か月が経過し、緊急融資も受
けたが来年の3月ごろには資金も底をつくことが明らかになってきた。後継者
の息子さんは不採算店舗を閉店して赤字の出血を食い止め、借りた緊急融資を
使って新しい事業を立ち上げようとしている。親子で意見が合わない。

<真剣な話し合いの機会を>
・また、ある食品加工業者の例では、コロナ前と比べて、売上はあまり大きく
落ちてはいないが、それでも15%くらいはダウンしたまま推移している。もと
もと粗利が少ない商売だったので、ほとんど利益が出ない。借入も従来から多
額なので、現在減額した返済をしているが、3年先に今回借りた緊急融資の返
済が始まる前までに、何とか凌ごうとしているが今後の方針が明確にならない
ので、毎日作業に右往左往するだけで新しいことは全く始まっていない。こう
いうときに、悪いことに従業員が病気になったり、退職したりする。現場の手
が足りないので、中途採用をするにも今後どれくらい現在の事業が続けられる
かわからない。

・どの例もよくありそうな事例だ。これが現実だから笑って済ますわけにはい
かない。何が間違っているかというと、まず経営陣での意思疎通がない。経営
者と周辺の一族役員、幹部で本当に真剣に今後どのようにすればいいのかとい
う話し合いができていない。また、しようとしない。後継者側からボールを投
げても、現在の経営者がまともにボールを受け取らない。受け取らないから返
ってくるはずもない。そのまま無為無策な時間が流れて、そのうちに年末年始
であわただしくなり、いつのまにかそんな重たいテーマは忘れ去られている。
そして年が明けて、少々長い休みがあり、また仕事に戻った時には、振り出し
から話しを始めないといけない。結論が出るわけもない。

<3年間30%変わる>
・意思決定とは決めること。決めないことは悪いことだと自覚する。経営者の
責務は、現場で作業をすることではない。もちろん、人手が足りずに緊急の助
っ人もあるが、それは本意ではない。今後自社はこのコロナショックが次第に
緩和してきたときに、70%の売上でどのように生き延びるのか。単に生き延び
るだけでは、早晩資金繰りがピンチになると生き残りすら図れない。そうなら
ないように、いま多少手元に資金が見えている間に、何をするのか。何をする
かがわからなければ、それを探しに行くのにどうすればいいか。金融機関や公
的な支援機関、税理士などの専門家、インターネットなどを駆使して情報を集
める。「困った、困った」を言い続ける必要がある。

・とにかく、元には戻らないと腹をくくることだ。あの数年前の状態に戻るこ
とはない。インバウンドで活況を呈したあの賑わいは戻らない。戻らないと決
めたら、ではどうするか。まずは変わることを決めること。どう変わるかは自
社次第だが、これからの30年を背負う後継者に考えさせること。急には変えら
れないから、まずこの1年の間に変わる準備をして徐々に変えていく。3年目
に売上の30%が新しい得意先で占められるように変わることだ。高齢になると
どうしても変わることをためらうが、それは昨今のコロナ後を生きるには足か
せになる。多少の障害、トラブル、軋轢は覚悟の上だ。何も支障のない変化は
あり得ない。まず、3年間で30%を変えること。これがキーワードだ。

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