経済産業省 近畿経済産業局 委託事業 京都府事業引継ぎ支援センター

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メールマガジン 過去分の掲載(第97号)退場の準備

2020/07/02

京都府事業引継ぎ支援センターでは、 メールマガジンを配信しています!
過去に配信したものをこちらでお読みいただけるように掲載していきます。
是非、ご一読ください。

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・・・・・事業引継ぎの現場から・・・・・
【京都府事業引継ぎ支援センターマネジメントレター】 
第97回配信分2020年7月2日発行
退場の準備
(京都府事業引継ぎ支援センター 統括責任者 成岡 秀夫)
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<はじめに>
・四方八方手を尽くしても、もうどうにもならなくて、泣く泣く廃業の選択を
された企業も多くあるだろう。まさに、断腸の想いでこのコロナ騒動がなけれ
ばまだまだ順調にやっていけたのに、たまたまこの騒動にぶちあたり、退場を
余儀なくされたという不幸な結果になった事業者もあると思われる。確かに企
業は永久に、永遠に継続することが前提なのだが、いろいろな環境変化、社会
情勢により、今回のように事業の継続が不可能な場合も出てくる。今回は、感
染症という伝染病なのだが、それ以外にも過去には天変地異、自然災害、事件
事故など、いろいろな事情や理由で、事業の停止を余儀なくされた事業者も多
くあるはずだ。

・不可抗力という言葉もある。なんとかしようと抵抗し、頑張り、最大限の努
力を傾注したが、それでもダメで、とうとう継続を諦めたというケースもある。
その決断にはいろいろと批判もあるだろうが、事業者が苦しんで出した結論だ。
それをすべてがダメでおかしいとは言い難い。それなりに理由があり、それな
りに根拠があるはずだ。一番大きい理由は、資金が続かないということだろう。
事業用の資金は、いわば人間でいえば血液に相当する。血液が体内を循環しな
くなると、まず人間は簡単に亡くなる。事業に供する資金繰りが立ちいかなく
なると、途端に事業の継続が困難になる。今回のコロナ騒動は、まさにこれに
該当する。

<賃貸物件から出るのも費用が>
・知っておくべきことは、撤退し廃業し退場するにしても、費用と時間が要る
ということだ。まず、事業を継続していくには、多くの契約ごとがある。賃貸
契約やリース契約、雇用契約など、多くの重要で大事な契約ごとがある。通常、
事業を継続しているときには意識しないが、いったん事業を停止し、止めよう
と思うと、途端にこれらの契約ごとの後始末が重たくのしかかる。特に、撤退
する前に相当の通告時間が必要なものが多い。場所を借りている賃貸契約など
はその典型だ。長い場合は、半年くらい前に通告する必要がある。そして、借
りた以前の元の形に戻す原状復帰という作業が要る。それに要する費用も相当
かかる。

・通常、預けている敷金がそれに相当するはずだが、大幅な改装改築をしてい
る場合は、敷金の充当だけでは足りない場合が多い。相当の持ち出しになるケ
ースもある。リース契約も悩ましい。続けて使うという前提で、相当の期間リ
ース契約をしている。残りの期間に払う金額を一括で支払う必要がある。つい
最近リースを始めた物件などがあると、残りの金額が結構多額に残っているこ
とが多い。日常意識せずに使っているが、一度すべてを調べておくことだ。意
外と契約書が散在していて、全体の実態がつかめないことがある。契約した時
点の当事者がもういない場合、詳細がつかめないことが多い。かなり余分の労
力が要る。

<雇用が途切れるのは避ける>
・賃貸やリース契約は、おカネで解決ができることが多いが、従業員の雇用に
関しては深刻だ。小職も以前に勤務経営していた企業が特別清算した際には、
従業員の再就職の世話で走り回った経験がある。若い人はいいが、中高年にな
ると次の職場探しが難しい。なかなか再就職口が見つからず、相当条件を落と
しての再就職になることが多い。家族にも申し訳ないし、まして本人のモチベ
ーションが保てない。子供さんがまだ高校や大学に在籍していたり、住宅ロー
ンが残っていたりすると、退職金だけではカバーできない。まして、従業員本
人にとってみれば青天の霹靂というアクシデントの場合もある。交通事故のよ
うなものだ。

・中小企業の場合、退職金が非常に少額の場合が多い。中小企業退職金共済事
業団に加入されている事業所も多いだろうが、掛け金が少ないと当然払われる
退職金も少ないし、月数年数が短いと払われる金額は少額だ。3年以上掛けて
いないと、掛け金より払われる金額のほうが少ない。また、失業保険もあるこ
とにはあるが、健康保険の任意継続や、翌年の住民税の支払いなどに、予想外
の負担がのしかかる。日本の雇用制度は、定年まで継続することを前提にして
いるので、途中で退職したケースでは本人に相当の負担がかかる仕組みになっ
ている。定年まで永年継続して勤務する前提の仕組みの中で、急に雇用が途切
れると厳しい。

<止めるのも万全を期す>
・いろいろな障害をわかったうえで、それでも事業を継続できないというケー
スは、よほどのことだ。マイナスの材料をいろいろと吟味すると、止めること
には腰が退ける。腰が退けると、なかなか止める決断ができない。止めるのは、
進むより勇気が要る。前に進むのは簡単だが、車の運転と一緒でバックするの
は難しい。特に後ろが見えないなかでバックするには、相当の運転技術が要る。
事業も同じで、とにかく前に進むならなんとかなるが、いったん事業を停止し
て止める場合は、非常に後始末にエネルギーがかかる。新居に入るときより、
引っ越しで全く空っぽにして引っ越すとなると、手間と時間は膨大にかかる。

・そう考えると簡単に止める決断はできないが、だからこそ止めるなら早く決
めないといけない。それでも、決定から実行、そしてすべてが収斂するのに6
か月から1年くらいかかるだろう。長引けば2年から3年かかると思ったほう
がいい。土地、建物の処分まであるなら、もっとかかるかもしれない。在庫の
後始末、外部との契約ごとの解除、従業員の再雇用、そして経営者の身の振り
方など、多くのやらねばいけないことがある。しかし、最も大事なことは、多
くの利害関係者に迷惑をかけないことだ。まして、少額の支払いが滞り、外注
先が困るようなことは避けないといけない。とにかく止める場合も、万全を期
して止めることだ。となると、相当の準備段取りが要るはずだ。その時間と費
用を考えておくことだ。

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