創業以来260年間、職人が一つひとつ手作業にこだわった絵具を製造・販売してきた。なかでも、胡粉はホタテの貝殻を原料にしたもので、日本人形や能面、障壁画などに用いられる日本画の重要な絵具の一つ。「10年間風雨にさらした貝殻を粉末にし、天日に乾かして作る...」というきめ細かな技術は、他社には真似のできないものだ。
今回のコンテストでは、化学メーカーとのコラボレーションで開発した、新しいコンセプトのネイルケア商品「胡粉ネイル」が認められた。水系エマルジョン(乳化液)に胡粉の微粉末を溶かしたもので、有機溶剤を使わないため、一般的なマニキュアのように刺激臭がなく無臭。除光液を使わなくても消毒用アルコールを使えば簡単に落とせるのが特長。また、通気性や速乾性に優れ、ホタテの貝殻に含まれる真珠層が爪を美しく輝かせる。
胡粉は、安心・安全な顔料として京都銘菓の五色豆の原料にも使われている。天然素材のからだに優しいネイルケア商品として、妊婦や高齢者、アレルギー体質の人など、健康志向のユーザーの掘り起こしにもつながると考えられる。今後は、さまざまなカラーバリエーションを増やし、日本の色彩文化の魅力を発信していく予定だ。夢はますます膨らんでいる。

胡粉ネイル「白光」(クリア)

職人の手で精製される胡紛
■審査委員長の目:龍谷大学 教授 佐藤 研司
有機溶剤を使わない自然志向の「胡粉ネイル」という商品で、ネイル市場における新たな顧客開拓に取り組んでいます。加えて、同社が持っている日本古来の顔料による色彩表現が強みとなっています。従来のマニキュアとは違う商品特性をマーケティングに活かすことによって、ネイル市場で独自の地位を確保することが可能となるでしょう。